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咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

咬合再構成を行った歯周病患者の一症例についてご紹介いたします。

歯科医院には様々な問題を抱えた患者が来院します。そういった中で咬合の再構成が必要になる場合も多々存在いたします。その場合、術前における十分な診査、診断を行った上で、咬合を構成する要素について、様々な留意をはらった上で治療介入を行う必要があります。すなわち咬合を整えるうえで適切な下顎位をいかに再現するかが大切になると考えます。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP ①
    初診時

    症例の概要です。上顎右側犬歯、根尖相当部の腫脹を主訴に来院された初診時66歳の女性。 全身的既往歴としては,高血圧症のため内科に通院中ですがコントロールされています。歯科的既往歴としては13年程前、虫歯治療を受けたとのことで、歯が欠損に至った時期に関しては明確な記憶はありませんでした。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP ②
    初診時パノラマX-ray

    初診時のパノラマX線所見からは多数歯の欠損、進行した齲蝕罹患歯の存在ならびに歯の位置異常が確認されました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP ③
    #13急化Per

    主訴の部位である#13は根尖部に歯肉腫脹が観察され、右頬の腫脹も認めたため、当日は抗生物質の投薬を行いました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP ④
    初診時口腔内所見

    初診から4日後の口腔内所見です。垂直的咬合高径は右側小臼歯部でかろうじて保たれている状態でした。

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    STEP ⑤
    初診時規格X線写真・歯周組織診査時のデータ

    同時期の規格X線写真ならびに歯周組織診査時のデータです。歯周疾患の程度としては中等度、一部重度であると診断いたしました。

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    STEP ⑥
    臼歯部舌側面観

    本症例も臼歯部崩壊を示しており包括的な対応が求められました。

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    STEP ⑦
    包括歯科臨床

    本症例においては、炎症の除去を目的とした歯周初期治療を行うと同時に咬合状態の評価を行うことにしました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP ⑧
    CRの確認

    スタディーモデルの作製を行うとともに、フェイスボートランスファーを行って、スタディーモデルの咬合器付着を行いました。

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    STEP ⑨
    Study Model

    臼歯部の咬合平面通過位置が左右で大きく異なることが確認できます。スタディーモデル上でGAトレーサーの作製を行い

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP ⑩
    仮咬合高径の決定

    トレーサーの描記針の高さを調整することで、眼角口角間距離と鼻翼下縁オトガイ下縁間距離が等しくなるよう配慮し

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP ⑪
    顎間記録の採得

    その位置で上下顎間のゴシックアーチプレートを固定しました。上下一塊となって硬化した後にスタディーモデルのリマウントを行うとともに

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP ⑫
    セファロ分析

    セファロの撮影を行いました。左が現状の中心咬合位、右が中心位として設定した顎位でのセファロです。エステティックラインを引いてみると、右のセファロのほうが下口唇との位置関係は良いと判断しました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP ⑬
    Mid-lineに対する歯の偏位

    中心位とした位置で、人中と上顎両側中切歯の位置関係を観察すると上顎中切歯部が左側に大きく偏位していることがわかります。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP ⑭
    根管治療

    歯の保存を図るべく、上顎両側第二大臼歯の根管治療を行いました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP ⑮
    右下臼歯部Implant 埋入

    右下臼歯欠損部に対し3本のインプラント埋入を行いました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP ⑯
    右下臼歯部Provisional修復

    右下臼歯部インプラントのオッセオインテグレーションが得られた後に、プロビジョナル修復を行って、右側臼歯部の咬合支持を確保しました。しかしながら現状の拳上量では#23の挺出を図るスペースが存在しません。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP ⑰
    咬合高径の拳上

    リーフゲージを用いて中心位に誘導しながら咬合拳上量を決定しました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP ⑱
    #23LOT & #42Implant埋入

    結果、#23の挺出スペースが確保され、部分矯正処置を適用することで、#23の歯根挺出を図るとともに、#42欠損部に対してインプラントの埋入手術を行いました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP ⑲
    #23歯冠長延長手術

    #23の歯根挺出後、歯肉縁上に健全歯質が2mm確保できるよう、歯冠長延長術を適用しました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP ⑳
    上下顎歯列の矯正移動

    その後、歯の位置改善の為、全顎矯正治療を適用しました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 21
    咬合高径の拳上

    全顎矯正治療の過程で、咬合高径の拳上を何度か行い、スタディーモデルリマウント時の咬合高径の回復を目指しました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 22
    Mid-line Correction

    矯正治療に際しては、ミッドライン、人中と上顎両側中切歯の隣接面が一致するよう配慮しました。矯正治療と並行して左下臼歯欠損部へのインプラントの適用を計画しました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 23
    左下臼歯部骨量評価

    スタディーモデルの観察でも、骨量不足が予想されました。CT診査の結果、同部は下歯槽神経まで5㎜程度の骨量しか存在せず、シーバーの分類のクラスⅢに当たり、垂直的、水平的に骨造成が必要とされました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 24
    左下臼歯部GBR

    同部に対しては、骨面を露出させ、海綿骨に達するデコルチケーションを加えチタンメッシュを付形し骨補填材を併用したGBRを適用しました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 25
    左下臼歯部Implant埋入

    GBR適用9か月後、通法に従ってインプラントの埋入を行いました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 26
    #27近心移動

    右側臼歯部の咬合支持領域は第一大臼歯までとしたため、#27の近心移動を図り、欠損間隔の短縮を図りました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 27
    #27フルーティング

    #27は遠心側の骨レベルが低下していたため、支台歯形成に際してはフルーティングを加え、清掃性の向上を図りました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 28
    術前・術後の比較

    術前、引き続き咬合再構成後の口腔内所見です。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 29
    Mid-Line Correction

    左が術前、右が咬合再構成時の人中と上顎両側中切歯の位置関係です。機能的、審美的改善が図られたと判断いたしました。 その後メインテナンスを継続していましたが、右上臼歯部のスリーユニットブリッジに予測された問題が発生しました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 30
    術前のX線規格写真・歯周組織診査時のチャート

    術前のX線規格写真ならびに歯周組織診査時のチャート、引き続き咬合再構成時のものです。左上ブリッジの支台歯歯根周囲の透過像拡大が観察されます。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 31
    右上臼歯部

    2013年1月に時点で#14の頬側に?孔が確認され4月時点ではX線所見から#14歯根全周に渡る骨吸収ならびに#16の歯根破折が確認されました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 32
    Socket Preservation(2013,4,15)

    プローブを用いたボーンサウンディングの結果、#14の頬側の骨壁が抜け落ちていたため吸収性メンブレンと骨補填材を用いたソケットプレザベーションを適用しました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 33
    Socket Preservation(2013,4,15)

    アテロコラーゲンで抜歯窩を封鎖し軟組織の治癒をまちました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 34
    左上臼歯部Implant埋入(2013,6,14)

    ソケットプレザベーション適用2か月後、インプラントの埋入を行いました。やはり時期的に早期過ぎたため、#24抜歯窩は成熟しておらず、頬舌的に5ミリ、垂直的に8ミリに及ぶ骨の開窓が確認されました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP35
    左上臼歯部Implant埋入(2013,6,14)

    #14部、インプラント埋入、初期固定が取れていることを確認後、骨補填材ならびび吸収性メンブレンを併用したGBRを行いました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 36
    Provisional Restoration

    インプラントのオッセオインテグレーションを待ったのちプロビジョナルレストレーションの作製ならびに口腔内装着を行いました。しかしながら頬側粘膜の高さが不揃いで患者によるセルフケアが困難な状態にあります。これは#16相当部に埋入したインプラント周囲粘膜が厚すぎることに起因しているものと診断いたしました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP37
    Provisional Restoration

    そこで頬側の結合組織を切除してオンプラントプロビジョナルのサブジンジバルカントゥアの調整を行いました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 38
    Final Restoration

    サブジンジバルカントゥアの安定を待ったのちに、作業模型上で印象用トランスファーのカスタマイズを行って最終上部構造の作製ならびに口腔内装着を行いました。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 39
    術前・術後の比較

    術前、引き続き現在の口腔内所見です。現時点まで3か月ごとの定期的なメインテナンスプログラムを継続しております。

  • 咬合再構成を行った欠損歯列を有する歯周病患者の一症例 ~ICP-CR偏位への対応~

    STEP 40
    まとめ

    全顎的な咬合再構成を行う場合、咬合を構成する8要素に対して十分配慮する必要がありますが、その中でも下顎位を正しく決めることが第一になり、診断、治療に際しては常に意識することが大切になると考えます。と同時に、患者の顔貌や姿勢を注視することもわれわれ歯科医療者にとっては必要であると考えます。


症例2

インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例についてご紹介いたします。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ①
    初診時

    初診時51歳の女性です。他院にて2ヶ月前までに全顎的な補綴修復処置が行われております。当院には前医からの紹介状をお持ちになり、メインテナンスを行ってくださいとの書面でした。初診時、医療面接を行ったところ歯科治療は終了したがかみ合わせの不安定感に悩まされているとの訴えがありました。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ②
    初診時パノラマX-ray

    初診時のパノラマX線所見です、#25欠損部に対しては#24ならびに26を支台歯としたスリーユニットブリッジが装着されていました。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ③
    初診時口腔内所見

    引き続き口腔内所見です。患者の訴えによると、前医のもとで作製したスプリントを装着しないで就寝すると、起床時に顎がだるいとのことでした。口蓋隆起が顕著で、下顎骨体内面にも骨隆起が観察されます。下顎前歯部はクラウディングを生じており、切縁部エナメル質の摩耗が観察されました。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ④
    初診時歯周組織診査

    歯周組織診査時のプロービングデータです。赤字はプロービング時に出血を示す部位です。歯の動揺は認めず、4㎜以上のプロービングデプスを示す部位は計測点112か所中2か所であり、歯周疾患のリスクは低いものと診断しました。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ⑤
    ICP時正面観

    ICP時、中心咬合位の正面観からは上下顎前歯の被蓋が深く咬合高径の低下が観察されました。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ⑥
    ICP時左右側方面観

    側方面観からは、上顎4前歯と後方歯との間で、歯列の連続性が破綻しており、咬合機能診査時に作業側臼歯部での早期干渉が確認されました。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ⑦
    顔貌所見・口腔内所見

    顔貌所見ならびに口腔内所見です。顔貌の正面観からは下顎の右側偏位が確認されました。下顎の口腔内所見からは左側臼歯部の舌側方向への倒れ込みが認められ、患者に問診した結果、左頬を枕に押し付けて眠るという睡眠体癖が存在しました。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ⑧
    治療計画の立案

    以上の所見ならびに診査結果から、以下のような治療計画を立案いたしました。すなわち中心位でのスタディーモデルの診査を行うとともに、睡眠体癖の改善を指導し、第一次プロビジョナルの作製を行って口腔内に装着し、ガイダンスの確認を行うとともに、歯内療法ならびに第二次プロビジョナルの装着、歯周組織ならびに咬合状態の再評価を行った後に最終補綴物装着を行うという一連の計画を呈示し、患者の了解を得ました。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ⑨
    FirstProvisional

    作業模型のフェイスボートランスファーを行い、咬合低位の診断の元、下顎位誘導記録に基づいて中心位で咬合器上でプロビジョナルを作製し、口腔内装着を行いました。一部はオーバーレイの状態で装着を行っております。このプロビジョナルレストレーションを装着しながら、咬合高径の評価、ガイダンスの確認ならびにTMD症状の変化の確認を行いました。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ⑩
    歯内療法

    根管治療が不備な部位の再治療を行うとともに、第一次プロビジョナルレストレーションで与えた咬合状態の再評価を行いました。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ⑪
    歯周組織,咬合の再評価

    咬合機能の再評価を行った結果、犬歯ガイドの修正が必要であると判断し、上顎歯列に歯列矯正処置を適用し、その後にセカンドプロビジョナルレストレーションの装着を行いました。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ⑫
    歯周組織再評価

    歯周組織診査の結果、左下第二大臼歯は補綴修復処置に必要とされる、歯肉縁上の健全歯質を欠如した状態にあったため、近心部には骨切除を伴った、FHAPFを、遠心部にはウェッジオペレーションを加えました。左は補綴修復処置終了後7年目の口腔内所見です。 #25欠損部に対しては、ブリッジ修復を行った場合のダミー部の清掃性の観点から、インプラントを応用することにいたしました。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ⑬
    欠損部位(#25)へのインプラント応用

    インプラントの埋入に際しては、埋入方向ならびに位置、埋入深度の原則を遵守して行いました。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ⑭
    欠損部位(#25)へのインプラント応用

    一次手術から6か月後、#25部インプラント埋入部位の二次手術に際してはティシュパンチを用いて口蓋側寄りの粘膜を打ち抜くことで、頬側の不動粘膜量が不足しないように配慮いたしました。その後2003年9月の時点で上部構造の装着を行いました。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ⑮
    顔貌所見の変化

    顔貌所見の変化ですが、初診時引き続き治療終了1年後の顔貌所見です。初診時に観察された下顎の右側偏位は改善していると判断いたしました。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ⑯
    上部構造装着 7年後

    左がインプラント埋入前、右が埋入後のX線所見です。そして修復後7年目のX線所見からはインプラント周囲に骨吸収等の異常所見は認められません。口腔内所見からはインプラント上部構造物と両隣在歯との歯頸線の整合性ならびに歯間部の乳頭様組織は維持されていることが確認されました。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ⑰
    X-ray所見

    こちらは術前のパノラマX線所見。引き続き術後7年時点におけるパノラマX線所見。そして同時期のX線規格写真です。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ⑱
    口腔内所見

    診時、引き続き術後7年時点の口腔内所見です。正中矢状面に対する歯列の左右対称性は維持されていると判断いたしました。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ⑲
    下顎前歯部の状態変化

    同時期における下顎前歯の状態ですが、適正下顎位で咬合再構成が図られた結果として、叢生の改善、歯列連続性の回復が起きたものと考えられます。このように中心位に基づいた下顎位を用いて咬合再構成を図ることで、顎口腔系に加わる力の適切なコントロールが可能になると思われます。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP ⑳
    歯,歯列+ 顏貌,姿勢

    歯や歯列の関係を診断し、咬合の備えるべき条件を勘案して治療計画を立てる必要があることは言うまでもありませんが、それに加えて患者の願望の左右対称性や姿勢を観察することも我々歯科医師には必要な事項の一つであると考えます。

  • インプラント治療を併用して咬合再構成を行った一症例

    STEP 21
    まとめ

    全顎的咬合再構成を行う場合には上下顎間関係を中心位の位置で構築することが肝要であり、その際、適切なアンテリアガイダンスを付与することは、インプラントを含めて口腔機能の長期的安定に寄与するものと思います。いずれにせよ、インプラント治療のみならず、歯科治療は患者に問題意識や価値観が存在しなくては成立しないため、メインテナンスを含めた患者のコンプライアンスの確立が求められると考えます。


症例3

歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

歯根破折を生じた有床義歯患者に対してインプラント治療を併用した一症例についてです。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ①
    初診時

    初診日2004年1月、上顎左側犬歯部の歯冠破折ならびに口唇の突出感を主訴に来院された初診時67歳の女性です。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ②
    初診時パノラマX-ray

    初診時のパノラマX線所見です。上顎残存歯は4歯、下顎残存歯は6前歯でした。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ③
    口腔内所見

    口腔内所見です。右側の犬歯ガイドの不正、左側の犬歯ガイドの欠如が観察され、下顎前歯部には歯周疾患の進行に伴ったと判断される病的歯牙移動の1つであるフレアアウトが観察されます。咬合支持は右側上下犬歯の斜面同士で辛うじて保たれている状態でした。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ④
    初診時X-ray(歯牙単位の問題点)

    初診時のX線規格写真からはスライドに示したように不適合クラウンを認め、歯根周囲支持骨には二次性の咬合性外傷によると考えられる骨吸収像が確認され、左側上下犬歯部には歯肉縁下齲蝕が確認できます。下顎前歯部には歯石沈着ならびに骨縁下欠損の存在などの問題点が確認されました。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ⑤
    初診時歯周組織診査

    初診時、歯周組織診査時のプロービングデータはスライドに示したとおりであり、多くの部位に深い歯周ポケットならびにBOPを認めました。赤字はプロービング時に出血を示す部位です。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ⑥
    治療方針の立案

    患者の主訴である口唇の突出感を改善するためには、病的歯牙移動を引き起こしている下顎前歯部の位置を何らかの方法で改善する必要があります。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ⑦
    治療計画

    治療方針として、プラークコントロール、SRPを含む初期治療を行った後に、歯牙挺出が確認された右上臼歯部の補綴物を除去し、咬合平面の修正を行うこと、歯肉縁下齲蝕に罹患している左側上下犬歯部に対しては歯冠長延長術を行うこと、下顎前歯部の位置改善に関しては歯列矯正処置を行うことを説明し、患者の同意を得ました。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ⑧
    治療経過

    第一段階として、初期治療を行った後に、右上臼歯部の補綴物の撤去を行い、概形成を加えて上顎咬合平面の修正を行いました。下顎に対しては前歯部の矯正処置による歯の位置改善を図ることといたしました。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ⑨
    治療経過

    下顎前歯部に対しては歯列矯正処置を行うことで下顎切縁通過位置の適正化を図るとともに、初診時に歯冠破折をきたしていた左上犬歯に対しては、補綴修復処置に必要とされる歯肉縁上の健全歯質確保のために歯冠長延長術を行いました。その後、歯周組織の安定ならびに咬合の安定を確認した後にフェイスボートランスファーならびにインダイレクトチェックバイトとしてのゴシックアーチトレーシングを行い、セカンドプロビジョナルの作製を行いました。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ⑩
    治療経過

    咬合器上で作製したプロビジョナルクラウンならびにプロビジョナルデンチャーを口腔内に装着し、機能面ならびに審美面での再評価を行うとともに、歯周組織の再評価診査を行った後に、最終補綴物の作製に移行いたしました。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ⑪
    治療経過

    下顎前歯部に対してはパーシャルデンチャーによる二次固定を図り、上顎に対しては補綴修復処置が必要になる4歯はビスケットベークの段階で、歯牙欠損部に人工歯排列を行い、アンテリアガイダンス、ケナインガイダンス、ならびにポステリアストップの確認を行うとともに、ICPとCR間に偏位が無いことを確認して、最終補綴物の作製を行いました。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ⑫
    最終補綴処置

    補綴終了時の口腔内所見です。上顎義歯は無口蓋とし、咬合様式としては右側においては犬歯誘導とし、左側においては上顎の残存歯が犬歯のみであったため、グループファンクションを与えています。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ⑬
    術後顔貌所見

    術後の顔貌所見ならびに口元の所見です。患者の主訴の一つである口唇の突出感も改善されたと判断いたしました。 その意味合いからもCRに基づく適切な下顎位を決定することが肝要になると考えます。 しかしながら、いろいろ考えながら治療にあたっても、トラブルは生じます。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ⑭
    #23歯根破折

    術後わずか2年足らずで左上犬歯部に歯根破折を生じてしましました。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ⑮
    鉤歯の喪失

    結果として、上顎左側の鉤歯を失うことになったため、上顎義歯の再設計、再作製の必要が生じました。 患者は使用中の無口蓋義歯の継続使用を強く望んでいましたが、残存鉤歯は上顎右側の3歯のみのため、現状では使用中の無口蓋義歯は使用不可となります。 そこでインプラント応用を行うことにしました。 具体的には、右側鉤歯に対抗する位置、すなわち左上犬歯抜歯窩の遠心部にインプラントを埋入し、磁性アタッチメントを用いたISPDへ使用中の義歯を改変することにしました。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ⑯
    鉤歯の喪失

    抜歯窩の唇側骨は吸収し唇側の骨壁を失っており、その遠心部に骨幅を拡大しながらインプラントの埋入を行いました。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ⑰
    複雑な計画の単純化

    結果として新義歯の設計や作製を回避するとともに、患者が希望する無口蓋義歯の継続使用が可能になりました。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP ⑱
    口腔内所見

    本年10月時点の口腔内所見です。インプラント上部構造であるキーパーの摩耗、義歯の変色等の所見は認められますが、上顎義歯をISPDに改変してからは、上下顎とも義歯のリベースやりライニングといった追加処置はせずに現在に至っております。これは中心位での咬合再構成が行えたことと、義歯の挙動がコントロールされていることが寄与しているものと考えております。

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    STEP ⑲
    初診時X-ray(2001,1)

    こちらは初診時のX線所見、引き続き

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    STEP ⑳
    メインテナンス時X-ray(2014,7)

    初診から10年6か月後の本年7月時点のX線所見です。初診時の求められた骨縁下欠損も改善しており、これも義歯を含めた咬合の安定ならびに定期的なメインテナンスがもたらした結果であると考えております。

  • 歯根破折を生じた有床義歯患者に対して インプラント治療を併用した一症例

    STEP 21
    まとめ

    全顎的咬合再構成を行う場合には上下顎間関係を中心位の位置で構築すべきであることは言うまでもありませんが、天然歯を喪失し補綴設計の大幅は変更を行う必要が生じた際に、インプラントを適用することで回避できるのであれば、患者の精神的、経済的な負担軽減につながるものと考えます。いずれにせよ、インプラント治療のみならず、歯科治療は患者に問題意識や価値観が存在しなくては成立しないため、メインテナンスを含めた患者のコンプライアンスの確立が求められると考えます。


症例4

咬合再構成を行った欠損歯を有する歯周病患者の一症例 ~歯列矯正治療を含めて~

咬合再構成を行った欠損歯を有する歯周病患者の一症例 ~歯列矯正治療を含めて~

咬合再構成を行った欠損歯を有する歯周病患者の一症例です。

  • 症例4

    STEP 1
    初診時パノラマ

    2009年8月初診の当時64歳の女性です。初診時のパノラマX線所見から、上顎左右第二大臼歯を欠損していることがわかります。

  • 症例4

    STEP 2
    初診時口腔内所見

    主訴は右上大臼歯部の咬合痛ならびに右下大臼歯部の冷水痛でした。
    患者の話によると、上顎の左右第二大臼歯は2008年12月に歯周病が原因で他院にて抜歯処置を受けたそうです。

  • 症例4

    STEP 3
    患者の希望

    予診表の記載欄からは抜歯をせずに歯周病治療をしてほしいとの要望がありました。
    1日10本、20年に及ぶ喫煙習慣を認めます。

  • 症例4

    STEP 4
    初診時審査

    初診時のX線所見ならびに、プロービングチャートです。
    歯周疾患の罹患度としては上下前歯部は軽度ですが、大臼歯部は中等度、一部重度と診断いたしました。

  • 症例4

    STEP 5
    ICP時正面観

    ICP時の正面観からは上下顎前歯部の被蓋が深く、咬合高径の低下が観察され、#21と#22には歯間離開が観察されました。

  • 症例4

    STEP 6
    ICP時左右側方面観

    側方面観からは、#37ならびに#47の歯冠挺出が観察され、機能運動時に早期接触が確認されました。

  • 症例4

    STEP 7
    前歯部

    先ほど申し上げましたように、X線所見からは上下顎前歯部では水平性骨吸収は認めるものの、その程度は軽度であると診断いたしました。

  • 症例4

    STEP 8
    臼歯部

    一方大臼歯部では、垂直性、水平性が混在した骨縁下欠損の存在が観察されました。

  • 症例4

    STEP 9
    臼歯部

    臼歯部口蓋側所見とプロービングチャートです。
    歯肉退縮は上顎臼歯部口蓋側に観察されますが、その程度は軽度です。

  • 症例4

    STEP 10
    前方顎前歯部所見

    上下顎前歯部切縁には摩耗とエナメル質のチッピングが観察され、

  • 症例4

    STEP 11
    上下顎臼歯部所見

    臼歯部咬合面には、条痕やメタルの変形ならびに機能咬頭の平坦化などの所見を認めたため、歯ぎしり等の夜間パラファンクションの存在が疑われました。

  • 症例4

    STEP 12
    セファロ分析結果

    セファロ分析の結果はスケルタルクラス1でしたが、顔貌所見ならびにセファロ所見からもブラキオフェイシャルで咬合力が強いことが推察されました。
    治療に際しての患者の希望は抜歯せずに歯周治療をしてほしいとのことであり、担当歯科衛生士を決めて、ブラッシングを含めた初期治療から開始いたしました。

  • 症例4

    STEP 13
    初期治療

    まずは基本となる患者自身のセルフケアの確認ならびにセルフケアの徹底を図ることにしました。

  • 症例4

    STEP 14
    初期治療

    初診から週1回ごとのブラッシングの確認を行うとともに、スケーリング等の初期治療を行い、患者自身による歯肉縁上のプラークコントロールを徹底させました。
    右の写真は患者が初診時に使用していたオムロンの電動ブラシです。その間、喫煙の弊害についても説明し、患者は禁煙しました。

  • 症例4

    STEP 15
    歯周組織再評価検査

    歯周組織再評価検査の結果、#16の骨縁下欠損が一番進行していましたが、電気診に対して陽性を示しました。

  • 症例4

    STEP 16
    CT検査

    同部のCT所見から、口蓋根を中心として著しい骨縁下欠損を示していることがわかります。同部に対してはエムドゲインを用いた歯周組織再生療法を適用することにしました。

  • 症例4

    STEP 17
    MED

    骨縁下欠損部位を避けた切開線の設定ならびに歯肉弁の翻展を行ったところ、骨縁下欠損は肉芽(にくげ)で満たされておりました。
    根面デブライドメントを行い垂直的に10ミリ、口蓋側においては近遠心的に10ミリの骨縁下欠損の存在を確認しました。

  • 症例4

    STEP 18
    MED

    根面デブライドメント終了後、エムドゲインを塗布し、FDBAを骨欠損部に填入しました。創面の縫合閉鎖終了後、術後の歯の動揺度増加に対しては前方歯との固定で対応し経過観察としました。

  • 症例4

    STEP 19
    感染根管処置

    #16はEMD適用3か月半が経過した時点でEPT(-)となったため、感染根管処置を適用しました。

  • 症例4

    STEP 20
    感染根管処置

    感染根管処置前後のX線所見です。

  • 症例4

    STEP 21
    歯内療法

    #46は根管治療が不備との診断の元、根管治療を行いましたが、根尖まで穿通しませんでした。根尖部には異常所見を認めなかったため、アムステルダム先生もおっしゃっていたように無駄なフレアアップをさせないよう、可及的な処置としました。
    根管治療後の口腔内所見からは根分岐部に及ぶ歯肉縁下齲蝕の存在が確認されました。歯肉縁上に健全資質を確保するために部分矯正を適用することにしました。

  • 症例4

    STEP 22
    歯根挺出

    #46の前後残存歯を固定源として#46の歯根挺出を行いました。歯根挺出後、頬側の軟組織量が増大していることが確認できます。

  • 症例4

    STEP 23
    歯冠長延長手術

    #46の歯肉を全層弁で剥離し、#46の齲蝕罹患部の除去を行いました。これ以上歯質削除を行うと根分岐部を露出させることになるため、この時点で終了しましたが、骨縁上の健全資質の高さが不足していることは否めません。術後、抜糸時の口腔内所見です。

  • 症例4

    STEP 24
    口腔内所見

    引き続き、左下大臼歯部のX線所見ならびに口腔内所見です。#37は根分岐部を含んだ骨縁下欠損を生じていました。歯肉辺縁の退縮はきたしておりませんでした。

  • 症例4

    STEP 25
    CT診査

    同部のCT所見です。
    ブルーラインとイエローラインの交点が#37の根分岐部中央部に当たり、CT画像からは#37の頬側から遠心部にかけて根分岐部を含んだ骨縁下欠損の存在が確認されました。同部に対しても歯周組織再生療法を適用することにしました。

  • 症例4

    STEP 26
    再生療法

    再生療法を適用するに当たり、切開線は骨縁下欠損部を避けるように設定し、実際の切開、剥離を行いました。

  • 症例4

    STEP 27
    再生療法

    骨縁下欠損部は肉芽(にくげ)でおおわれており、#37は遠心部ならびに根分岐部付近に歯石の沈着が確認されました。

  • 症例4

    STEP 28
    再生療法

    #37の根面デブライドメント終了後の口腔内所見です。垂直的には5ミリ、水平的には骨辺縁から5ミリの骨欠損を認めました。

  • 症例4

    STEP 29
    再生療法

    #36に関しては、垂直的に3ミリの骨縁下欠損を認めました。

  • 症例4

    STEP 30
    再生療法

    #36,37デブライドメント終了後、エムドゲインにFDBAを併用した再生療法を適用しました。

  • 症例4

    STEP 31
    CT診査

    引き続き、上顎両側埋伏智歯についてアプローチすることにいたしました。パノラマ所見からは#18の歯冠が遠心傾斜を示し、#28は近心傾斜を示しています。
    CTの断層写真から#18は歯冠部が頬側に傾き、根尖部が口蓋側に位置しており、#28は歯冠部が咬合平面方向に位置していたため、#18は抜歯処置、#28は矯正的挺出により咬合に参加させることにしました。

  • 症例4

    STEP 32
    口腔内所見

    #28の矯正的挺出に際しては、左上臼歯部に固定源を確保する必要がありますが、X線所見から#26には骨縁下欠損を生じていることから、固定源強化の意味も含め#26に再生療法を適用することにしました。

  • 症例4

    STEP 33
    再生療法

    CT診査の結果、#26には根分岐部を含む浅くて広い骨縁下欠損を生じていました。#26遠心側は歯槽骨頂が低く、多くの再生は期待できないと思われました。

  • 症例4

    STEP 34
    再生療法

    歯肉弁を剥離し、根面デブライドメント終了後の口腔内所見カら、根分岐部を含んだ浅くて広い骨縁下欠損を生じていることが観察されます。
    #26後方に#28の歯冠が確認されますが、組織再生には閉鎖創にする必要があり、この時点では捕まえず、同部に対してはエムドゲインとFDBAの併用を行いました。

  • 症例4

    STEP 35
    再生療法

    抜歯適応と判断した#18ですが、CT画像上で#17相当部の歯槽骨は陥凹した状態にあり 、#18の抜歯後に更なる骨欠損を生じる可能性が高い状況でした。

  • 症例4

    STEP 36
    抜歯&GBR

    そこで#18抜歯と同時に、バイオスを併用したGBR(骨誘導再生法)の適用を行いました。

  • 症例4

    STEP 37
    抜歯&GBR

    抜歯窩ならびに#17相当部の骨欠損部にバイオスを填入し、吸収性メンブレンで被覆し、創面の閉鎖を行いました。

  • 症例4

    STEP 38
    下顎歯列のレベリング

    その後、歯の位置改善の為、全顎矯正治療を適用しました。上下顎大臼歯部には歯周外科処置を行っているため、下顎♯35から#45に対するレべリングから開始いたしました。ディープバイトのため下顎ブラケットの装着位置は、歯頸線寄りに設定しました。

  • 症例4

    STEP 38
    下顎歯列のレベリング

    その後、歯の位置改善の為、全顎矯正治療を適用しました。上下顎大臼歯部には歯周外科処置を行っているため、下顎♯35から#45に対するレべリングから開始いたしました。ディープバイトのため下顎ブラケットの装着位置は、歯頸線寄りに設定しました。

  • 症例4

    STEP 39
    開窓&牽引

    保存を図る方針とした#18に対しては切開を加え、軟組織で閉鎖されないようコンポジットレジンの築盛を行い、1週間後に矯正用のアイレットをスパーボンドで装着しました。

  • 症例4

    STEP 40
    開窓&牽引

    左上前方臼歯群に固定源を求め、パワースレッドによる#18の牽引を開始いたしました。

  • 症例4

    STEP 41
    開窓&牽引

    牽引に際しては、適時X線撮影を行って、牽引方向を確認しました。

  • 症例4

    STEP 42
    開窓&牽引

    #18の歯冠部をなるべく咬合面方向に一致させるよう移動させたかったため、X線を確認しながら、アイレットの装着位置を変更しました。

  • 症例4

    STEP 43
    開窓&牽引

    #18の歯冠部が歯肉縁上に挺出した段階で頬舌側に矯正用キャプリンフックとボタンを装着し#16遠心部に添わせるように牽引し、歯冠部が十分挺出した段階でバンド装着を行いました。

  • 症例4

    STEP 44
    開窓&牽引

    #18のX線による時系列に従った移動状況です。

  • 症例4

    STEP 45
    全顎矯正

    その後、全顎矯正を継続しました。初診時所見の項目で申し述べたように、#37、47は歯冠挺出を認めるため圧下処置が求められますが、この当時、下顎最後臼歯の矯正的圧下を行う手技を持ち合わせていなかったため、圧下は行っておりません。

  • 症例4

    STEP 46
    最後臼歯の圧下処置

    現在はゴムメタルワイヤーを用いることで、最後臼歯の圧下処置も可能になっております。これは別症例ですが、ゴムメタルを用いることで

  • 症例4

    STEP 47
    最後臼歯の圧下処置

    下顎最後臼歯の圧下、ならびに遠心移動が可能となります。7番のバンド遠心部か歯肉縁下になっていることからもその様子がうかがえます。現在ならこの方法で下顎の最後臼歯の位置異常に対応するものと考えます。話を本症例に戻します。

  • 症例4

    STEP 48
    圧下処置

    左側臼歯部における咬合干渉を除去するため挺出を示す#26の圧下処置を行うことにしました。

  • 症例4

    STEP 49
    圧下処置

    頬側近心部、口蓋側遠心部にテンポラリーアンカレッジディバイスとしてマイクロスクリューを設置してパワーチェーンをかけました。

  • 症例4

    STEP 50
    圧下処置

    圧下処置を行って、#26と#37の干渉が除去されたた後に、#36のメタルプロビジョナルを入れ替えて、#26の再度の挺出を防止しました。

  • 症例4

    STEP 51
    インプラント埋入

    #17欠損部に対しては、歯周支持組織が弱まっている#16の咬合支持強化の意味合いからもデンタルインプラントを適用することにしました。
    X線所見は埋入処置1週間前のものですが、歯槽骨頂から上顎洞底までは4ミリ程度でしたので、無注水、40回転でハッチリーマーを用い、ソケットリフト法にてインプラントの埋入を行いました。
    その後、全顎矯正を進め歯周組織の再評価を行いました。

  • 症例4

    STEP 52
    歯列矯正完了&再評価

    矯正装置撤去時の口腔内所見です、#28のバンドならびに#36,37間のTAD除去前のものです。

  • 症例4

    STEP 53
    再評価

    #46は再評価の結果、頬側の健全歯質量が不足しており、残存歯質と根分岐部も近接しており、この両者を解決する方法を考えなくてはなりませんでした。
    歯肉縁上の健全歯質確保のため、部分矯正を適用して歯根挺出させた場合、根分岐部が骨縁上に来ることが予測され、その際にはフルーティングを加えた補綴物を装着するか、場合によっては歯根分割を行う必要が生じるかもしれません。 いずれにせ健全歯質の歯肉縁上確保は必須事項のため、#46の歯根挺出を図ることにいしました。

  • 症例4

    STEP 54
    #46への対応

    #46の近遠心を固定源として#46の歯根挺出を図りました。歯根挺出後、根分岐部付近に透過像が確認されます。
    近心部の骨縁と形成マージンの位置から、#46の歯根挺出が図られたことがわかりますが、新たに生じた根分岐部の問題を解決しなくてはなりません。

  • 症例4

    STEP 55
    #46根分岐部への対応

    #46に対しては頬側から歯肉溝内切開を加え、ムコジンジバルジャンクションを越える部分まで全層弁剥離を行い、歯肉内面の結合組織を薄くそぐことで、術後歯肉辺縁高さは健全歯質より下になるよう調整しました。
    #46分岐部の深さは2ミリでした。

  • 症例4

    STEP 56
    #46根分岐部への対応

    #46根分岐部への対応として#47遠心部にウェッジオペレーションを加えて、上皮付き結合組織の採取を行いました。
    上皮部分を切離して、結合組織のみとしました。

  • 症例4

    STEP 57
    #46根分岐部への対応

    #46根分岐部に対して、GEM21S とFDBAを混和し、適用しました。

  • 症例4

    STEP 58
    #46根分岐部への対応

    根分岐部にGEM21Sを適用後、先ほど採取した結合組織を根分岐部の上に設置して、歯肉溝内面で固定し、頬側歯肉粘膜に懸垂縫合を加えて、オペを終了しました。

  • 症例4

    STEP 59
    口腔内所見

    術後8か月時点のX線所見ならびに口腔内所見です。#46の頬側は歯肉縁上に歯質確保が図られ、補綴修復処置が行える状態になるとともに、分岐部の露出は認めません。

  • 症例4

    STEP 60
    口腔内所見

    初診時、そして

  • 症例4

    STEP 61
    口腔内所見

    メインテナンス時、本年2月25日の口腔内所見です。

  • 症例4

    STEP 62
    口腔内所見

    初診時のX線規格写真ならびにプロービングチャートです。

  • 症例4

    STEP 63
    口腔内所見

    引き続き昨年11月時点のX線規格写真ならびに本年2月時点のプロービングチャートです。#26の口蓋近心側に4ミリのプロービングデプスが確認できます。
    引き続き再生療法を適用した大臼歯部のX線所見を呈示いたします。

  • 症例4

    STEP 64
    口腔内所見

    上顎左右大臼歯部、上が術前、下が昨年11月時点のものです。#16周囲は安定しておりますが#26周囲には骨縁下欠損が残っている様子です。
    術前と異なり#26遠心部に天然歯が存在するため再度再生療法を適用することも検討すべきなのか、ご教示いただきたいと思います。

  • 症例4

    STEP 65
    口腔内所見

    下顎左右大臼歯、上が術前、下が昨年11月時点のものです。術前に認められた骨縁下欠損は改善していると判断いたしました。

  • 症例4

    STEP 66
    まとめ

    最後にまとめになりますが、本症例は歯の欠損を伴った一部重度の歯周病症例であった。#16は当初EPT(+)を示したため、歯周組織再生療法を適用したが、経過観察の時点でEPT(-)へと移行し、結果として根管治療を適用する時期が遅れてしまった。
    垂直性骨縁下欠損が根尖付近にまで及んでいる場合には、歯周組織再生療法適用前に生活歯であっても根管治療を行っておくべきなのか、その判断基準が自分の中では漠然としている。
    また、#36は健全歯質の絶対量が少なく、齲蝕罹患部が根分岐部付近にまで及んでいたため全顎矯正後に部分矯正を行い、歯肉縁上に健全歯質確保を図ったが、その結果として、根分岐部を骨縁上に位置させることとなり、治療終盤で再生療法ならびに結合組織移植をおこなうことになった。このようなケースの場合、治療手順として今回行った方法が正しかったのかについても疑問が残る。


症例5

包括的治療

歯周病患者の一症例です。

  • 症例5

    STEP 1
    初診時口腔内所見

    初診時年齢は66歳。主訴は右下の歯茎が腫れて部分義歯が装着できないというものでした。全顎的に自然出血と排膿所見を認めます。

  • 症例5

    STEP 2
    補綴物撤去時口腔内所見

    初診時の上顎X線規格写真ならびに咬合面観です。全体的に支持骨レベルの低下確認できます。
    #25は歯根破折を生じており、#21ならびに#24は根尖を越える部分にまで周囲支持骨の破壊が進行しています。
    補綴物撤去時の口腔内所見です。齲蝕の深部進行も確認されます。

  • 症例5

    STEP 3
    下顎口腔内所見

    下顎のX線所見ならびに口腔内所見です。主訴である左下小臼歯部の歯肉腫脹が著しく、全顎的な自然出血が観察されます。

  • 症例5

    STEP 4
    #44,45 抜歯処置

    #44,45番部は支持骨の破壊が根尖を超える部分にまで生じていたため、抗生剤投薬後、抜歯処置を行いました。
    抜歯時の#44ならびに#45です。#45には歯根全体を取り巻くように歯石沈着を認めます。

  • 症例5

    STEP 5
    左下前臼歯部口腔内所見

    #33に関しては歯周ポケットは6mm程度ですが、X線所見ならびにCEJと歯肉辺縁の位置関係から支持骨の破壊が根尖に及んでいることが予測されます。
    #33は咬合再構成を図る際にキートゥースとなるため、極力保存する方向で検討いたしました。

  • 症例5

    STEP 6
    X線所見&口腔内所見

    引き続きCTのイメージ画像です。舌側からは根尖部を越えて骨破壊が進行しており、唇側に薄い支持骨が残存している状態でした。
    この時点では電気診に陽性を示していました。同部に対してはEMDと補填材を併用した再生療法を試みることといたしました。

  • 症例5

    STEP 7
    歯肉弁翻転時口腔内所見

    歯肉弁翻転時の口腔内所見です。CT画像と同様に骨破壊は唇舌側を貫通する状態でした。

  • 症例5

    STEP 8
    骨の補填

    デブライドメント後、EMDならびに骨補填材を骨欠損部に適用し、吸収性メンブレンにて被覆しました。

  • 症例5

    STEP 9
    術後経過

    術後経過です。
    術後8か月時点で、根尖部に新たな陰影を生じ、電気診に陰性を示したため根管治療を行っております。

  • 症例5

    STEP 10
    術後経過

    並行してインプラントの埋入を行い、フェイスボートランスファーを行って上顎模型の咬合器付着を行うとともに、

  • 症例5

    STEP 11
    術後経過

    インダイレクトチェックバイトとしてGAの採得を行って、

  • 症例5

    STEP 12
    術後経過

    中心位でのプロビジョナルレストレーションの装着を行いました。
    この後、歯根挺出を示していた#33ならびに#43の圧下処置を計画いたしました。矯正治療を適用するに際しては、
    固定源の確保、スペースの確保、干渉のコントロールの3要素が必要とされますが、本症例の場合、当該歯の後方歯を欠損しているため、固定源の確保が行えない状態でした。
    #33,43の後方にインプラントの適用が望まれますが、骨量が不足しています。

  • 症例5

    STEP 13
    インプラント埋入

    右下臼歯部にはGBRを行い、その後インプラントの埋入を行うことにしました。#44,45相当部には著しい骨吸収が確認されます。

  • 症例5

    STEP 14
    インプラント埋入

    同部に対しては骨補填材ならびにチタン強化型非吸収性メンブレンによるGBRを適用いたしました。

  • 症例5

    STEP 15
    インプラント埋入

    引き続きインプラント埋入時の口腔内所見です.十分な骨用組織が獲得されたため、通法に従ってインプラント埋入手術を行いました。

  • 症例5

    STEP 16
    圧下処置

    圧下中のX線所見です。

  • 症例5

    STEP 17
    圧下処置

    圧下中のX線所見です。

  • 症例5

    STEP 18
    術後経過

    #33に関しては、術後4年経過時点の2012年11月にリエントリーを行いました。
    エントリー時の口腔内所見からは#33の近心から舌側に骨再生所見を確認いたしました。

  • 症例5

    STEP 19
    術後経過

    初診時ならびに術後4年10か月が経過した本年9月14日のX線所見です。
    骨成熟は十分とは言えませんが今後ともメインテナンスを継続しながら経過観察を続ける予定です。

  • 症例5

    STEP 20
    術後経過

    同様に再生療法を適用した#47に関しては、術後4年10か月の時点で良好な経過をたどっています。
    前方にインプラントによる咬合支持を与えたことも、良好な結果に寄与しているものと思われます。

  • 症例5

    STEP 21
    術後経過

    術後パノラマX線所見です。

  • 症例5

    STEP 22
    術後経過

    初診時の口腔内所見です。引き続き補綴処置終了6年経過時点のものです。

  • 症例5

    STEP 23
    術後経過

    引き続メインテナンス時本年9月の所見です。
    定期的なメインテナンスと相俟って、良好な口腔機能を維持しています。


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