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歯周治療はすべての基本です。

歯周組織再生療法

歯周ポケットと骨縁下欠損の関係

歯周病が進行した結果として生じる、歯周支持組織の破壊は患者さん自身が良好な口腔ケアを行ったとしても、自然治癒や自然再生は望めません。 歯科医のもとで、歯周組織再生療法を受けることで、その目的が達成されます。今日、歯周組織再生療法をその手技により大別すると以下の3つに集約されます。

  • フラップキュレッタージ単独
  • GTR法
  • EMD法

歯周ポケットと骨縁下欠損の関係

歯周ポケットと骨縁下欠損の関係骨縁下欠損を評価する場合、歯根長に対する骨頂の位置が重要になります。
例えば歯周ポケットが6mmを示した場合、骨縁下欠損の深さが5mmであれば再生療法の対象となり、2mm以下の浅いものであれば骨切除の対象になると考えられますが、骨欠損が浅くても骨頂が歯根長の根尖側1/2より低い場合は、残存支持骨量が少ない為、骨切除による対応が出来ず、再生療法の適応症になると考えられます。

骨縁下欠損の改善を行う場合、一般に骨縁下欠損の深さが深いほど、骨欠損の入り口が狭いほど、その再生量が期待できるといわれています。

骨縁下欠損形態を的確に把握し、治療術式の選択、コンビネーションを決定することは良好な結果を得る鍵になります。


深い歯周ポケットの評価方法

深い歯周ポケットの評価方法深い歯周ポケットを評価する場合には、骨欠損、骨縁下欠損の有無、生物学的幅径の状況や、付着歯肉量などに応じて術式を選択することが求められます。では実際の症例を呈示いたします。


歯周組織再生療法1

  • フラップキュレッタージ単独

    歯周組織再生療法 ①
    フラップキュレッタージ単独

    フラップキュレッタージ単独で歯周組織再生を図った症例です。

  • 臼歯歯間部

    歯周組織再生療法 ②
    臼歯歯間部

    右上のX線像は初診時のものであり、右下は初期治療終了、再評価診査時のものです。 臼歯歯間部の骨レベルは低下しておりますが、6番の根分岐部には骨吸収が及んでおらず、7番の歯根は癒合していることから、歯間部の骨再生を目的としたフラップキュレッタージを行うことにしました。 フラップキュレッタージはその治療効果において、切除外科処置でもあり、再付着を期待する場合には再生外科処置と捉えることも出来ると考えます。Prichard先生は1957年に3壁性骨縁下欠損の骨再生を目的としたIntrabony Techniqueを発表しています。 その後1977年に2、3壁性の骨縁下欠損の処置に有効であるとしてInterdental Denudation Techniqueという呼び名で紹介していますが、そのポイントとなるのは、骨欠損内部への上皮の進行を遅らせることにあります。

  • 歯周組織再生療法 ③
    二壁性骨縁下欠損/歯間部クレーター

    本症例への対応ですが、歯肉溝切開を加えフラップを翻展し、徹底しデブライドメントを行った後に、歯間部の骨面に対し骨髄穿孔を行い、歯間部に血液を貯留した状態にし、骨欠損部の入り口をフラップで被覆せずに縫合を完了しました。

  • 歯周組織再生療法 ④
    術後2週間/術後2ヶ月

    術後経過はスライドに示すとおりであり、術後の歯周組織の治癒、安定を待った後に最終補綴物の作製に移行しました。

  • 歯周組織再生療法 ⑤
    術後2週間/術後4ヶ月

  • 歯周組織再生療法 ⑥
    初診時/術後8年

    X線による経過観察では、術後8年時点で歯間部の骨再生が確認でき、歯槽硬線も明瞭になっています。 本術式を用いる場合、頬舌側に骨壁が残り、骨欠損の入り口が狭いケースにおいては予知性がさらに高くなると考えます。 引き続きGTR法の症例を呈示します。


歯周組織再生療法2

  • 歯周組織再生療法 ①
    GTR法(症例1)

    再生療法としてGTRを行った症例です。患者は、左上4番の急性歯周膿瘍を主訴として来院された72歳の男性です。 抗生物質の投与による消炎処置後に頬側近遠心からアクセサリーポイントを挿入してX線撮影を行いました。頬側の支持骨は歯根長に対して1/2以上の破壊が予測された為、本症例において歯の保存の為には、再生療法が必要になると判断しました。

  • 頬側裂開状骨欠損垂直性骨欠損

    歯周組織再生療法 ②
    頬側裂開状骨欠損垂直性骨欠損

    頬側に広く術野を確保し歯根面周囲の肉芽組織を除去し、徹底した根面のデブライドメントを行いました。右下はデブライドメント終了後の頬側所見ですが、頬側には裂開状骨欠損、垂直性骨欠損が観察されます。

  • 歯周組織再生療法 ③
    チタン強化型メンブレン

    根面デブライドメント終了後、テトラサイクリン溶液で根面処理を行い、骨欠損部に骨移植材を応用しチタン強化型の非吸収性メンブレンの設置を行いました。本来GTR法には骨移植材の併用は必要ないと考えられますが、本症例のように裂開状の骨欠損を示す場合や、根分岐部病変を有する症例の場合には、スペースメーキング材として必要になると考えます。またGTR法の術後トラブルの多くはメンブレンの露出及び感染にあると思われます。減張切開不足の場合はもちろんですが、メンブレン設置時に縫合糸を用いるとその部位からの感染リスクが高まると考えられる為、チタンピンによる固定を行いました。本症例の場合、歯根中央部に対するスペースメーキングを確実なものとするためメンブレンをオーバーラップさせて用いました。

  • 歯周組織再生療法 ④
    術後8週メンブレン除去時

    Murphy先生の示したデータによるとGTR法で骨移植を併用した場合、6週間以上メンブレンを設置しておかないと、その効果は得られません。本症例の場合、術後8週間が経過した時点でメンブレンの摘出をおこないました。歯根周囲は幼弱な新生骨様組織で覆われていることが観察されました。

  • 歯周組織再生療法 ⑤
    GTR術後1年2ヶ月リエントリー

    術後1年2ヶ月が経過した時点で、頬側の残存歯周ポケットの除去を兼ねてリエントリーを行いました。GTR法適用部位の周囲は骨様組織で覆われていることが観察できます。


歯周組織再生療法3

  • 歯周組織再生療法 ①
    GTR法(症例2)

    引き続き別症例です。初期治療終了時のX線所見ならびにプロービングチャートです。 左下6番近心側において垂直性骨縁下欠損が観察されたところから、同部に対しては歯周組織再生療法を適用しました。

  • 歯周組織再生療法 ②
    二壁性骨縁下欠損(歯間部クレーター)

    フラップを翻転すると左下6番近心側に二壁性骨縁下欠損、歯間部クレーターの存在が確認されました。骨欠損の入り口は狭い状態にあり、確実な創面閉鎖が可能であると判断し 同部に対しては骨移植材ならびに吸収性メンブレンを用いました。

  • 歯周組織再生療法 ③
    GTR術後1年Reentry

    X 線写真はGTR術後1年2ヶ月のものです。この時点で左下6番近心側に残った浅い骨縁下欠損の除去を兼ねてリエントリーを行いました。

  • 歯周組織再生療法 ④
    術後経過:10年

    術後10年時点のX線所見では左下6番近心の骨縁下欠損は改善しており歯槽硬線も明瞭化していることが観察されます。

  • 歯周組織再生療法 ⑤
    術後経過:10年

    左下6番近心側は問題ないですが、歯周治療の目的の一つであるメインテナンスしやすい環境の構築という観点からは 左下6番遠心と7番近心の歯根近接は問題といえるでしょう。

  • 歯周組織再生療法 ⑥
    術後経過:10年

    そこで同部に対しては限局矯正を適用し、歯根近接の問題を解決することにしました。

  • 歯周組織再生療法 ⑦
    術後経過:10年 限局矯正

    左下7番の歯軸整直化を図りました。

  • 歯周組織再生療法 ⑧
    術後経過:10年 補綴処置

    歯軸を整直させた後に、歯冠修復処置を行いました。

  • 歯周組織再生療法 ⑨
    術後経過:12年8か月

    再生療法から12年8か月後のX線所見です。やはり右上より左下のX線所見のほうが安心できると思います。


歯周組織再生療法4

  • 歯周組織再生療法 ①
    EMD法(症例1)

    こちらはEMD(エムドゲイン)療法を適用したものです。
    左下第二大臼歯には、歯軸の近心傾斜、咬合干渉、垂直性骨縁下欠損といった問題が生じていました。

  • 歯周組織再生療法 ②
    #47 電気診/感染根管処置

    ブリッジを撤去して歯髄診断を行ったところ、第二大臼歯は失活しており、感染根管処置を行いました。

  • 歯周組織再生療法 ③
    #47 CT

    同部のCT所見からは根尖を越えた部位にまで歯周組織の破壊が進行していることがわかります。

  • 歯周組織再生療法 ④
    #47 CT

    4壁性の骨縁下欠損を生じていることがわかります。

  • 歯周組織再生療法 ⑤
    #47 Debridement

    フラップを翻転し、デブライドメント(廓清術)を行いました。

  • 歯周組織再生療法 ⑥
    #47 Debridement

    歯根の近遠心で10ミリに及ぶ骨縁下欠損が観察されました。

  • 歯周組織再生療法 ⑦
    #47 術後経過

    術後経過を適時X線撮影を行って確認し、良好な歯周組織の再生をきたしているものと診断いたしました。

  • 歯周組織再生療法 ⑧
    #47 歯軸の整直化

    矯正治療により、第二大臼歯の歯軸整直化行って、歯周組織の安定を図るとともに、前方欠損部にインプラント埋入スペースを確保しました。

  • 歯周組織再生療法 ⑨
    #46 インプラント埋入スペースの確保

    矯正治療により、インプラント埋入に必要とされるスペースが確保されました。

  • 歯周組織再生療法 ⑩
    #46 インプラント埋入

    通法に従ってインプラントの埋入を行いました。

  • 歯周組織再生療法 ⑪
    #47 歯列矯正治療

    近心傾斜を示していた#47は矯正治療を適用することで、歯軸の整直化を図りました。

  • 歯周組織再生療法 ⑫
    #47 術前 術後経過

    左上が術前、右下が術後メインテナンス時のX線所見です。インプラントを含めて歯軸の並行性が確保されるとともに、術前に認めた#47の骨縁下欠損が改善していることがわかります。


歯周組織再生療法5

  • 歯周組織再生療法 ①
    EMD法(症例2)

    引き続き別症例です。2009年8月初診の当時64歳の女性です。初診時のパノラマX線所見から、上顎左右第二大臼歯を欠損していることがわかります。

  • 歯周組織再生療法 ②
    初診時

    主訴は右上大臼歯部の咬合痛ならびに右下大臼歯部の冷水痛でした。患者さんの話によると、上顎の左右第二大臼歯は2008年12月に歯周病が原因で他院にて抜歯処置を受けたそうです。

  • 歯周組織再生療法 ③
    臼歯部X-ray

    大臼歯部では垂直性、水平性が混在した骨縁下欠損の存在が観察されました。

  • 歯周組織再生療法 ④
    #16 X-ray

    歯周組織再評価検査の結果、#16の骨縁下欠損が一番進行していましたが、電気診に対して陽性を示しました。

  • 歯周組織再生療法 ⑤
    #16 CT診査

    同部のCT所見から、口蓋根を中心として著しい骨縁下欠損を示していることがわかります。同部に対してはエムドゲインを用いた歯周組織再生療法を適用することにしました。

  • 歯周組織再生療法 ⑥
    #16 EMD (2009/10/23)

    骨縁下欠損部位を避けた切開線の設定ならびに歯肉弁の翻展を行ったところ、骨縁下欠損は肉芽(にくげ)で満たされておりました。 根面デブライドメントを行い垂直的に10ミリ、口蓋側においては近遠心的に10ミリの骨縁下欠損の存在を確認しました。

  • 歯周組織再生療法 ⑦
    #16 EMD (2009/10/23)

    根面デブライドメント終了後、エムドゲインを塗布し、FDBAを骨欠損部に填入しました。 創面の縫合閉鎖終了後、術後の歯の動揺度増加に対しては前方歯との固定で対応し経過観察としました。

  • 歯周組織再生療法 ⑧
    #16 X-ray (2010/02/06)

    #16はEMD適用3か月半が経過した時点でEPT(-)となったため、感染根管処置を適用しました。

  • 歯周組織再生療法 ⑨
    #16 歯内療法

    感染根管処置前後のX線所見です。経過観察の後、#17欠損部に対してはインプラントを適用しました。

  • 歯周組織再生療法 ⑩
    臼歯部X-ray(上顎)

    上が術前、下が術後メインテナンス時のX線所見です。術前に認められた骨縁下欠損が改善していることがわかります。

  • 歯周組織再生療法 ⑪
    #36,37 X-ray

    引き続き、左下大臼歯部のX線所見ならびに口腔内所見です。#37は根分岐部を含んだ骨縁下欠損を生じていました。歯肉辺縁の退縮はきたしておりませんでした。

  • 歯周組織再生療法 ⑫
    #36,37 CT診査

    同部のCT所見です。
    ブルーラインとイエローラインの交点が#37の根分岐部中央部に当たり、CT画像からは#37の頬側から遠心部にかけて根分岐部を含んだ骨縁下欠損の存在が確認されました。同部に対しても歯周組織再生療法を適用することにしました。

  • 歯周組織再生療法 ⑬
    #36,37 EMD (2009/12/05)

    再生療法を適用するに当たり切開線は骨縁下欠損部を避けるように設定し、実際の切開、剥離を行いました。

  • 歯周組織再生療法 ⑭
    #37 Debridement (2009/12/05)

    縁下欠損部は肉芽(にくげ)でおおわれており、#37は遠心部ならびに根分岐部付近に歯石の沈着が確認されました。

  • #37 Debridement (2009/12/05)

    歯周組織再生療法 ⑮
    #37 Debridement (2009/12/05)

    #37の根面デブライドメント終了後の口腔内所見です。
    垂直的には5ミリ、水平的には骨辺縁から5ミリの骨欠損を認めました。

  • #36 Debridement (2009/12/05)

    歯周組織再生療法 ⑯
    #36 Debridement (2009/12/05)

    #36に関しては垂直的に3ミリの骨縁下欠損を認めました。

  • #36,37 EMD (2009/12/05)

    歯周組織再生療法 ⑰
    #36,37 EMD (2009/12/05)

    #36,37デブライドメント終了後、エムドゲインにFDBAを併用した再生療法を適用しました。

  • 臼歯部X-ray(下顎)<

    歯周組織再生療法 ⑱
    臼歯部X-ray(下顎)

    左上が術前、右下が術後メインテナンス時のX線所見です。#37周囲の歯周組織は改善され歯槽骨辺縁には白線も確認されます。


重度歯周疾患患者に対してインプラントを用いて機能回復を図った一症例

  • 歯周組織再生療法 ①
    初診時診査

    患者は、全顎的歯牙動揺ならびに歯茎からの自然出血を主訴に来院された初診時61歳の男性です。初診時の状況はスライドに示したとおりであり、#46頬側には自然出血が確認できます。

  • 歯周組織再生療法 ②

    初診時のパノラマX線写真ならびに、歯周組織診査時のプロービングデータです。赤字はプロービング時に出血を示す部位です。 多くの部位でBOPを伴った6mm以上のプロービングデプスを示し歯牙動揺度は2度から3度を示していました。X線所見からも歯牙の位置異常を起こしていることが推察されます。本症例のように歯周疾患が進行し、歯槽骨もしくは歯周靱帯を含む軟組織が炎症により、その保持力が弱まって歯牙移動する状態を病的歯牙移動と総称されます。

  • 歯周組織再生療法 ③
    初診時口腔内所見

    側方歯群の近心傾斜 下顎前歯の挺出とクラウディングなど典型的な病的歯牙移動を示していました。歯周疾患の治療においては炎症のコントロールが最優先されることはもちろんですが、病的歯牙移動を生じている場合には、咬合のコントロールも併用して行わなければ、その治療性かが低くなると考えております。以上の所見ならびに検査結果から以下のような治療計画を立案いたしました。

  • 歯周組織再生療法 ④
    治療計画

    すなわち、スケーリング、ルートプレーニングといった初期治療を行い、初期治療で十分な改善が得られない部位に対して歯周外科処置を行うこと。歯周組織の炎症の除去に引き続き、病的歯牙移動を引き起こしている上下顎歯列にたいして矯正処置を行い、保存不能歯はインプラントに置換して、歯周組織、咬合の再評価を行った後に最終歯冠修復を行い、メンテナンスに移行することを治療計画として呈示し、患者の了解を得ました。

  • 歯周組織再生療法 ⑤
    初期治療終了、再評価診査時

    初期治療終了時の正面観です。プラークコントロールも比較的安定してきました。#46の根分岐部が口腔内に露出していることが観察されます。再評価診査時において多数部位にBOPを伴った病的ポケットが確認された為、当初の予定通り、歯周外科処置を行った後に、歯列矯正を行うことにしました。

  • 歯周組織再生療法 ⑥

    このチャートは私が歯周外科処置の選択時に目安としているものです。再評価検査時に深い歯周ポケットが認められた場合、骨欠損の有無を診査し、骨欠損を伴った場合にその欠損形態が骨縁下に及ぶものであるか否かを判断します。 骨縁下欠損を認めない場合、生物学的幅径への侵襲の有無によりFlap CurettageもしくはApically Positioned Flap を選択します。また骨縁下欠損を認めた場合にはその欠損が浅いものであれば骨切除外科を選択し、5mm以上に及ぶ深いものであれば骨再生外科を選択することになります。

  • 歯周組織再生療法 ⑦
    骨切除外科によるポケット処置

    右上臼歯部の所見では歯肉は厚く、X線所見では水平性骨欠損が認められました。初期治療終了時に、5m以上の歯周ポケットが残存した為、歯周外科処置を行うこととしました。

  • 歯周組織再生療法 ⑧
    歯根周囲の骨切除/頬側骨瘤の除去

    歯根周囲の浅い骨縁下欠損部位に骨整形、骨切除を行うと共に、ブラッシングを困難にしていると判断された頬側の骨瘤の除去を行いました。

  • 歯周組織再生療法 ⑨
    術後6年

    術後の頬側面観並びにX線像です。骨頂と根分岐部の位置関係にも留意し、術後に根分岐部が露出しないように、配慮いたしました。

  • 歯周組織再生療法 ⑩
    骨縁下欠損(-)部位への歯周外科処置の適応

    そのほか骨縁下欠損が存在せず、あるいは浅い骨縁下欠損部位で、病的ポケットが確認された部位に対しては、順次歯周外科処置を適用いたしました。

  • 歯周組織再生療法 ⑪
    #35,#36 歯槽中隔骨欠損

    #35,36の歯槽中隔は骨欠損を起こしており、#35遠心側は根尖付近まで支持骨を喪失しており歯根近接も認めることから、#35の抜歯を行い同部へはインプラントの応用を行うことにしました。

  • 歯周組織再生療法 ⑫
    矯正的歯牙移動

    インプラント埋入に先立って、矯正的歯牙移動により歯列の安定化を図ると共に、#36近心側の骨縁下骨欠損の改善を図りました。

  • 歯周組織再生療法 ⑬
    矯正的歯牙移動による骨縁下欠損の改善

    #36は根分岐部病変Ⅰ度を示していた為、矯正処置は歯軸の改善にとどめ、近心側骨縁下欠損の改善は#35部へのインプラント埋入時に骨再生外科を行うことにしました。一口に再生外科といっても、そのアプローチの仕方によって何通りかに分類されます。

  • 歯周組織再生療法 ⑭
    再生外科の分類

    佐藤直志先生歯はこのチャートに示すような分類を行っております。つまり再生外科はFlap Curettage 単独によるもの、骨移植を併用したもの、GTRを併用したもの、Enamel Matrix Derivativeを併用したものに分類され、症例の条件に応じて選択、適用する必要があると考えられます。

  • 歯周組織再生療法 ⑮
    #35欠損部へのインプラント埋入

    #36への再生療法の適応インプラント埋入時の咬合面所見です。#35にインプラントを埋入し、#36の近心側に根面デブライドメントを行いました。

  • 歯周組織再生療法 ⑯
    3壁性骨縁下欠損

    フラップ翻展時の所見から深さ7mm程度の2壁性骨欠損、歯間部クレーターが観察されます。骨欠損の入り口が狭く、頬舌側に骨壁が残っていた為に、周囲自家骨を骨補填材として用い、骨移植を併用した骨再生外科を適用いたしました。

  • 歯周組織再生療法 ⑰
    #46欠損部のSocket Preservation

    根分岐部病変Ⅲ度を示した#46並びに根尖部付近まで骨破壊が進行していた47部へは抜歯後インプラント埋入を行うことにしましたが、#46については抜歯後に著しい骨吸収が予測された為、抜歯と同時に三燐酸カルシウムを補填すると共にコラーゲンメンブレンにて同部を被覆しました。

  • 歯周組織再生療法 ⑱
    #46、47欠損部へのインプラント埋入

    歯列矯正の固定源として用いた、#47の抜歯後2ヶ月の時点で#46、#47部に対してインプラント 埋入を行いました。#47の抜歯かは成熟していないため、インプラント埋入にあたってはPRPと自家骨を用い、GBRを行いました。インプラントのテーブルトップの位置を術後の補綴物の立ち上がりの位置に合わせて埋入を行っています。

  • 歯周組織再生療法 ⑲
    補綴後5年口腔内所見

    術後経過です。こちらは初診時の口腔内所見。引き続き補綴処置終了5年経過時点のものです。

  • 歯周組織再生療法 ⑳
    補綴後5年

    引き続き、同時期のX線所見です。下が同時期のプロービングチャートです。数箇所にBOPが確認されますが、咬合力の適切な分散が図られ、定期的なメンテナンスと相俟って、口腔機能が維持できていると思われます。術後経過は5年程度とまだ短く、今後注意深く経過観察ならびにメンテナンスを行っていく予定です。

  • 歯周組織再生療法 21
    補綴後5年

    下顎インプラント埋入部の術前、術後のX線所見です。骨再生外科を適用した#36の近心側並びに根分岐部の骨レベルは安定していると思われます。これは#35にインプラントによる強固な咬合支持を与えた結果、より良い再生が得られたのではと判断しております。
    またGBRを併用した右下臼歯部のインプラント周囲の骨レベルも安定しており、垂直的骨造成を図った結果 前方残存歯との歯頸線の調和が得られ、インプラント間の乳頭様組織が獲得されたと考えております。

  • 歯周組織再生療法 22
    まとめ

    最後にまとめになりますが、歯周疾患患者にインプラント治療を行う場合は、埋入前に炎症のコントロールを十分行っておく必要があるとともに 歯周組織再評価診査時に骨縁下欠損等を認めた場合には、再生療法を含めてその治療方法を十分吟味する必要があり 歯周疾患罹患歯が病的歯牙移動を引き起こしている場合には矯正治療を適切な時期と方法で組み入れることは、歯周治療の質の向上に寄与するものと考えます。
    その際、インプラントによる強固な咬合支持を与えることは、歯周組織のより良い再生の獲得に寄与するものと考えます。
    いずれにせよ、インプラント治療のみならず、歯科治療は患者に価値観や問題意識がなくては成立しないため、メンテナンスを含めた、患者のコンプライアンスの確立は不可欠であると考えます。


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